2014年6月24日火曜日

父親のことを考えている

今回、活版印刷所を舞台に台本を書くことになって、
最近父親のことを考えている。

私の父は写真の専門学校を卒業した後、定年まで印刷会社で勤めた。
20年くらい前まで印刷は写真植字(写真の原理を用いた印字方法)が主流で、父はその技術者だった。
毎日残業で帰りが遅く、よく赤いセロハンの破片を顔や腕にくっつけていた。
90年代半ば、写植からDTP印刷が中心になると父の帰宅は早くなった。
繊細な技術が必要だった組版(くみはん:印刷の一工程。紙面を構成する作業。レイアウト。)
は全てパソコン上で出来るようになった。
しかも手作業より速いし正確。
だから自分はもう用なしなんだと父は嘆いていた。
私は幼いながらも世の中って世知辛いわーとしみじみ思ったのだった。

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